【解説】Folk Tale/昔話にスラッシュを入れてみた

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学習

昔話にスラッシュを入れると、どのように理解しやすくなるか、試してみました。

なぜ、私が「スラッシュリーディング」を取り入れる理由はと大きく2つあります。

①スラッシュで区切ることで、状況を想像しやすい

②独り言のように「スラッシュ間」を一息で話すことで、話しにリズムが生まれ、そのリズムが記憶力をサポートしてくれる(リズムの定着→実際に使える)

たまたま見かけたツイートにもこのような物がありました。私も同感です。実際に、リズムやポーズは英会話をかなり左右する大事な部分だと思います。

私はカナダのBC州に住んでいます。英語力0から子どもを現地校に入学させ、彼らの学習方法を研究しています。このブログは教育学部卒・学校勤務経験のある私が、「なぜウチの子は、学校で聞いているだけで英語が出来るようになったのか」を分析しながら書いています。

今回は実際にFolk Tale/昔話にスラッシュを入れて、話の内容がつかみやすくなるか試してみました。

昔話の冒頭にスラッシュを入れてみた(スラッシュリーディング)

Folk Tale1:アラジンと魔法のランプ(ALADDIN AND THE WONDERFUL LAMP)

まず初めは、あの有名な「アラジンと魔法のランプ」です。自分で「ここだ!」と思うところにスラッシュを入れていきます。

There once lived a poor tailor, who had a son called Aladdin, / a careless, idle boy who would do nothing / but play ball all day long in the streets / with little idle boys like himself. 

ALADDIN AND THE WONDERFUL LAMP

・There once lived a poor tailor, who had a son called Aladdin, = かつて(昔)貧しい仕立屋のところにアラジンと呼ばれる息子がいた。

・a careless, idle boy who would do nothing =(そのアラジンは)不注意で、何もしたくない怠け者の男の子だった

・but play ball all day long in the streets =一日中、通りでボール遊びをしている(ような子)

・with little idle boys like himself. =彼のような小さい怠け者の子

つまり~

アラジンがいかに怠け者かを説明してる部分ね?

Folk Tale2:かえるの王様(THE FROG-PRINCE)

次に「かえるの王様」です。これまでPrinceは「王子様」だとばかり思っていました。でも、王様と訳されている所もあるようですね。

One fine evening / a young princess put on her bonnet and clogs,/ and went out to take a walk by herself in a wood; / and when she came to a cool spring of water, that rose in the midst of it, she sat herself down to rest a while. 

THE FROG-PRINCE

・One fine evening =ある晴れた日の午後

・a young princess put on her bonnet and clogs, =若いお姫様がボンネットと履き物(靴)を履いて

・and went out to take a walk by herself in a wood; =(彼女は)独りで森の中に散歩に出かけた

・and when she came to a cool spring of water, that rose in the midst of it, she sat herself down to rest a while. =(その森)その中で、冷たいわき水がわき出るところに来たとき、彼女はしばらく休んだ

どんなお姫様が、どんなところに行ったかという場面設定から始まったのね。物語の基本的冒頭部分かな。

Folk Tale3:ラプンツェル(RAPUNZEL)

そしてディズニー作品でも有名な「ラプンツェル」がこちらです。これだけ短いとスラッシュを入れる必要は無いかもしれませんね。

There were once / a man and a woman who had long in vain wished for a child. 

RAPUNZEL

・There were once =かつて~

・a man and a woman who had long in vain wished for a child. = 長い間むなしく子どもをほしがっているある男と女がいた

スラッシュを入れる位置より、Vainを入れた意味を理解するほうが大変かも。

Folk Tale4:ヘンゼルとグレーテル(HANSEL AND GRETEL)

このお話は、子どもの頃に「怖いけれど聞きたいお話」でした。それでも、何度も読んでもらったことを覚えています。

Hard by a great forest dwelt / a poor wood-cutter with his wife and his two children.

HANSEL AND GRETEL

・Hard by a great forest dwelt =大きな森の側に住んでいた (Hard by:すぐ近く、dwelt←dwellの過去・過去分詞:住む、居住する)

・a poor wood-cutter with his wife and his two children.=貧しい木こりが妻と2人の子どもと一緒に

動詞の原形から文章を始められると、苦手だなぁ・・・

Folk Tale:さるかに合戦(THE CRAB AND THE MONKEY)

日本のお話も紹介されていました!スラッシュを入れるとしたら、最初の定型句の所。そしてカニの紹介の部分と、カニのいる場所の説明あたりでしょうか。あとの2つは一緒に見ても良いかもしれないですね。

There was once / a crab who lived in a hole / on the shady side of a mountain.

“THE CRAB AND THE MONKEY”

・There was once =かつていた

・a crab who lived in a hole =穴に住んでいたカニ

・on the shady side of a mountain. = 山の陰のところ

名詞の後に関係代名詞が来たら、とりあえず、その名詞を説明しているところでスラッシュかな。

Folk Tale6:石切工(THE STONE-CUTTER)

これも有名なお話です。昔話の場合、スラッシュを入れることで、冒頭部分の「昔々~」にいちいち引っかからなくなりました。

Once upon a time / there lived a stone-cutter, who went every day to a great rock in the side of a big mountain / and cut out slabs for gravestones or for houses.

“THE STONE-CUTTER”

・Once upon a time (もういいでしょう)

・there lived a stone-cutter, who went every day to a great rock in the side of a big mountain =大きな山の側に、毎日大きな石を切る石切工が住んでいました。

・and cut out slabs for gravestones or for houses. =墓石や家のための板を切り出していた。

「スラッシュ」を入れる位置確認

もう一度、スラッシュを入れる位置について、おさらい。

・前置詞の前

・動名詞の前

・不定詞の前

・過去分詞の前

・接続詞や疑問詞節の前

・関係詞の前

・カンマ(,)、セミコロン(;)、コロン(:)、ダッシュ(―)の後

・長い主語の後(述語動詞の前)

・長い目的語や補語の前

RareJob English Lab ~ 「スラッシュリーディング」で読解&リスニングのスピードアップ! より

スラッシュの間は、『誰が、いつ、どこで、何を、どうした』(5W1H)のが入っています。だから、それを分けるわけにはいかないのです。

「キレイな和訳」は厳禁!

「キレイな和訳」は厳禁!

「スラッシュリーディング」で読解&リスニングのスピードアップ!

そう言われるのは、「English Lab 英語を手段にチャンスをつかむ」さん。私も同感です。特に子どもの勉強を見てやるときは、キレイな和訳は求めません。でも、意味の通る日本語の説明は求めます。(日本語教育も当時に行っているので)

スラッシュリーディングは、長い文章を意味が分かりやすいように分割するだけです。

意味を理解しながら入れるスラッシュを入れる

「どこが意味を理解する上でひとかたまりになるのか?」

これを知ることはとても大事です。なぜなら、そのかたまりを意識して話すことで相手に伝わりやすいからです。

例えば

There was a man who had three sons, / the youngest of whom was called Dummling, / and was despised, mocked, and sneered at on every occasion.

この文章を口頭で説明するとき、

・There was a man. He had three sons.

・His the youngest son was called Dummling.

・The boy was despised, mocked and sneered / at on every occasion.

こうなるとします。

特に3文目。カンマのところで間(ポーズ)を入れます。

最後の「at on every occasion」は一呼吸で話します。その方が相手には馴染みあるフレーズなので、伝わりやすいのです。

だから、スラッシュを入れる・意識することは口頭英語にも一部役に立つのです。

ではなぜ、スラッシュリーディングの弊害論があるのでしょうか?

スラッシュを入れる弊害って本当にあるのだろうか?

おもしろい書き込みを見つけました。

「自然に身につける解法」

☆メリット ・ネイティブの考え方である ・極めればこれが一番早い ・余計なことを考えなくていい

★デメリット ・慣れるまでは文型よりも時間がかかる ・一部文法の絡む問題を間違える可能性がある ・英作文で語順などを間違える可能性がある

「一部文法の絡む問題を間違える可能性がある」とは、 the cat was found dead.の正しい訳は 「猫が死んだ状態であることが分かった」ですが、これを 「猫が死んだ状態で見つかった」と訳すなどの事態が見受けられます。

Yahoo!知恵袋より https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10256257300

言われる意味はよくわかります。このfound(動詞の過去形)とdead(形容詞)に違和感が持てるかどうかがポイントです。

確かに、ある程度の文法的知識は必要だと思います。

でも、webilioみると、こんな記述もあるのです。

https://ejje.weblio.jp/content/dead より

この場合、間違ってしまうのも仕方ないような気がするのですが、どうでしょう。

私の意見としてはこうです。

1文だけで、スラッシュリーディングの是非を判断することは不可能である。

まとめ

最後に、まとめます。

・スラッシュは、考えのまとまりを視覚的に理解出来やすいよう区切ったものである。

・キレイな翻訳は必要なし。

・スラッシュリーディングは決まった法則は無いが、間違った位置はある。

だから、どんなにプロフェッショナルであっても、誤読は起こりえます。

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