英検3級レベルからの英語勉強法を調べてみました。
私は、現在カナダ・BCの田舎町に家族と暮らしています。家の中は100%日本語で、子ども達(G-4,G-1)は現地校に通っています。お蔭で子ども達の日常会話はかなり上達してきましたね。
「それは親が英語を話せたから」
それだけは絶対に違うと断言できます(笑)私もたぶん英検は、周りの雰囲気で受けたような気がしますが、自分の級など覚えてもいません。結局受験にほんの少し?加点があるかどうか程度の物なので。今では、「あれ、皆、神のように信じてるけど、あの労力ってもしかしてムダだったんじゃ?」とすら思います。
まず、あなたの目標を再確認しましょう。
英語は話せるようになりたいのですか?
試験にパスしたいのですか?
問題はそこだと思います。今回は、英語を話せるようになりたい人へ向けて、大学で教えることを学んだ私が勉強法について紹介します。
英検3級レベルからの英語勉強法
まず、あなたが英検3級までとれているのなら、勉強に必要な気力や資質はあるはずです。
そして、私がカナダに来て今までの学習法を後悔したのはここからでした。
うちの子ども達がどのようにして「英語が話せるようになったか」をご紹介します。
子ども達の英語学習ステップ
子ども達がカナダに来たとき
息子は、3歳11ヶ月でカナダに来ました。もう9歳になります。娘は生後4ヶ月でした。親の私は、教育学部こそ卒業したものの、子どもに何を教えて良いか分かりませんでした。だから、YouTubeで英語の歌を何度も聞かせていました。
プリスクール
息子は週に2回だけ、プリスクールに通わせてみました。あれははっきり言ってムダでしたね。指導者が「移民の英語を話せない子」に全くフォーカスしていなかったので、ただの子守りでしかありませんでした。
その反省をいかして、娘の時は、バスで遠くの移民サービスまで通いました。そこは、親がPRを持っていれば子どもは無料で託児サービスを受けさせてもらえるのですが、当時とても評判が良かったんです。そこでは丁寧かつ簡潔な話し言葉、発音(口の動き)などを繰り返し教えてもらっていたようです。
キンダー入学
いよいよ息子はキンダー入学。しかし先生の言葉がわからず、常に教室内をウロウロ。そして、英語が話せないにもかかわらず静かにもしていられませんでした。ほとほと手を焼いた先生は、よく私に「何とかしよう、どうしよう」と相談のメールを送ってきていました。
そんな担任も3ヶ月で産休に入ったので、臨時の先生にバトンタッチ。臨時の先生は、立場もあるのか、「大変な子だ」というようなことは言いませんでした。
それでも、遊びながらお友達は少しずつ出来ていたみたいです。意思疎通は、ほんの少し出来はじめていた…程度だと思います。
一方で娘は、移民サービスの託児で、浴びるように先生の話す英語を聞いていたので、簡単な指示は分かるようになっていました。そして、文法は間違っていても話す努力はしていたように思います。これはひとえに、託児の先生が「自分の意見を話させよう」と努力していたからだと思います。それでも、息子とは違い、「分からないときは、まわりの人の真似をする」という子どもながらのサバイバルスキルを身につけていた彼女は、堂々と楽しんでいたようです。
Grade-1
さて、いよいよ本格的な学習のスタートです。
1年生は、それぞれのアルファベットの読み方を勉強します。まず最初はABC(エイ、ビー、シー)で、次はフォニックスです。
■フォニックスは、文字を発音するときのルールのようなものです。「この文字をこう発音する」という感じですね。もしあなたが英検3級をとれているなら、それほど時間はかからないと思いますので、徹底的にやってみて下さい。最初は1文字のグループ。それを覚えたら2文字~3文字のセットという感じで学習していきました。動画の音声も聴いてからやると、確実です。
フォニックスを学ぶと、まず見たこともない単語が読めるようになります。これは大きいですよ~。
しかし、子ども達の学校は現地校です。みんな子どもの頃から英語生活なので、そもそも文法というものをまだ勉強はしません。日本でもそうですよね?だから、文章を作るのは本当に苦労しました。
次に先生から、しつこくおすすめされたのが、読書です。
児童書のススメ
「英検3級もとれているのに児童書なんて!」と思うかも知れませんが、児童書は意外に侮れません。
これは、娘が受けている移民サービスのボランティア先生が手作りしてくれた本です。彼女は、元教師で、退職後、移民の子どもにボランティアで言葉を教えようと応募してくれたようです。
そして、この本は、その先生『『有名な本を手書きで写し取って、娘の名前を入れ込んだ本』にしてくれたのです。
小さな子どもの学習はパターンの丸覚え
この時点で、娘は上の「What do you see?」は分かります。でも、活用「What do you~?」までは分からないと思います。seeというのが動詞で、それを入れ替えたら他のことを質問できるというところまでは知らないと思います。(でもきっと英検3級レベルならそういう知恵の使い方もできるはずです)
そして、下の部分です。「I see a green dog looking at me.」
それぞれの頭文字をとって、SVOC、つまり第5文型になるのです。(文型については、こういうサイトが勉強になります)
ちなみに、私の受けた英会話クラスでは「S」や「O」などとは言いませんでした。例えば「What is the subject of this sentence?」などと聞かれます。下手に暗号化するからややこしいのかも知れないですね。
そして意味は、「I see a green dog / looking at me.」=「私は緑の犬が見える / 私を見ている」→「緑の犬が私を見ているのが見える」となるでしょう。
もし、先生に習っているなら・・・
先生は何でも知っていますし、もし知らないことがあっても、検索レベルが私達とは格段に違います。
もし今、あなたが先生(学校・英会話クラス)に習っているのなら絶対に先生を活用しない手はありません。例えば私なら、
「I see a green dog looking at me.」と「I see a green dog that is looking at me.」は何がちがうの?と質問します。
丸覚えするなら「フレーズ重視」
文章の丸覚えは正直、役に立つとも立たないとも言いきれないと思います。
- <役に立つ>1文を覚えていると、文法上、どこを換えられるかが分かるので応用が利く
- <役に立たない>どこまで覚えれば良いかわからない
構文集なんかは丸覚えしても役に立つかも知れません。フレーズで覚えておくと会話でも便利です。そして私なら、「What do you ~?」と「I see ~」を使って3~5行の文章を作って添削してもらいます。話すことを意識するなら、文法の知識が無いと応用出来ませんので、やはり文法は大事です。
Grade-2,3
Grade-2にもなると、少しずつ長い文章を読んで、主旨を見つけ出すことが求められます。いわゆる読解力の部分ですね。
そして教育ゲームなんかがかなり活用されていた印象でした。
これは、Prodigyという教育ゲームです。無料で利用出来ますが、学習状態の分析レポートや更なるサポートが受けたい場合は有料になります。北米ではかなりの学校がこのProdigyをクラスでの学習に利用しているのでは無いかと思います。
Prodigyとは
Googleアカウントさえあれば、簡単に始めることができ、基本的に無料です。そして、自分の好みのアバターと名前を登録します。
中に入ると、英語か数学を選んで、自分の入りたい部屋を選びます(国語(英語)は2022年に追加された機能です。)
なぜ部屋を選ぶかというと、おそらく、世界中からアクセスがあるので、混雑を避けるためだと思われます。各部屋にはそれぞれ名前が付いているので、友達と「何時に○○の部屋で会おう!」という事も出来ます。ただし、プレイヤー同士の会話はトラブルの元にもなるので、かなり制限されています。あらかじめ決められたフレーズしか発せられないようになっています。(例えば「Hi, Hello」や「I’m fine.」など。)
構成自体はRPG形式で、自分のアバターをいろいろなワールドに行かせて、モンスター(問題)と出会いバトル(問題を解く)する事で経験値が上がり、コインなどを獲得出来るという物です。また、ポケモンのようなかわいらしいキャラクターも仲間にして、一緒にバトルをする事が出来ます。プレイに関して課金制度はなく、「有料会員になるかならないか」しか違いはありません。
Prodigyのココが好き
カナダの子ども達も、まだGrade-1レベルだと、大して文字は読めません。そして視聴覚に障害があっても回答出来るように、音声読み上げ機能も用意されています。さすが、北米!世界中から移民が集まるので、『英語の話せない子ども』への研究・対応は優れています。
娘は、この音声読み上げ機能を使って次々と問題を解いています。
英検で3級ももっているレベルなら、こういうものをやってみることをおすすめします。数学なら見ただけで分かってしまうかも知れませんが、国語(英語)なら十分に役に立つかも知れません。
教育ゲーム以外にやったこと
この時点で、息子に足りない部分は次のような物でした。
- 字が汚すぎる(これはクラスの平均以下のレベルで、評価の対象レベルだった)
- SV,SVO等の語順を意識して話せない
- 簡単なお話を作る事など不可能
- 数字だけの式(11+6等)は得意だけれど、文章問題になると、正答率が低くなる。
そこで、できるだけ毎日音読し、簡単な本をコピーし、新出単語の意味を日本語で書き、全体の内容をつかみ、私が簡単な質問を作って英語で答えさせるようにしました。そして、先生に提出しました。
目的としては
- とにかく手書き文字の改善(時には方眼用紙も使って勉強しました。)
- 音読によるSV、SVOの意識付け
- 話には構成があることを認識させる(これはまだ無理)
- 文章問題の継続的な練習と答え方の形式の定着(I think~,because~)
これは少しずつ効果が出ているようです。
ちなみに、今Grade-1の娘は「左から右への書き写し」がテーマです。まだ鏡文字になったりしてしまうので、書き写しは効果があるようです。
英検3級のレベルが英語圏では何歳レベルか
英検3級のレベルが英語圏では何歳レベルか・・・・という質問に対して、Yahoo!知恵袋にこのような回答がありました。
私も2級くらいまではもっていたと思いますが、同じような感じです。更に付け加えるなら、3歳児の英語なんて、舌っ足らずもあるので聞き取れないことも多いです。日本人の子どもでもそうでしょう?それに、5歳も超えるとベラベラしゃべり出すので、気にすることはありません。
そして、この人が書いてあるように、絵本はジャンルごとに異なる口調で書かれてあります。これは実際に本当に読みにくいけど、良い勉強にはなります。いろんな書き始めが勉強できますよ。選ぶ本を間違えると造語ばっかりで嫌になりますけれど。
さらに、音読以外の読み書きは・・・確かに6-7歳くらいレベルでしょうかね。
実際に私は息子の勉強に付き合ってGrade-3(8歳くらい)のワークブック(カナダでは有名なもの)を勉強しています。
私の場合、出題の意図がわかったとしても、少しずつ専門用語が出てくるのと、記述式の問題は答えが無いので困ります。
幸いにも今年の先生は、提出すると添削をしてくれるので、記述式の問題は見てもらうようにしています。
現在息子は、スラスラと発音良く読むことは可能ですが、作文力は相変わらずのような気がします。
最後に:英検3級の人が英語が話せるようになるまでのステップ
この「英検3級」の人とは私かもしれません。そしてカナダに暮らしている私が、子ども達の学習ステップを分析しながらできるアドバイスは次の5つです。
②音読する(音声読み上げ機能を利用し、抑揚まで完全に真似る)
④オリジナルの状況を想像して作文する(添削してもらう)
⑤独り言で、作った文章を誰かに話す体で話す練習
⑤地域に暮らす外国から来た人に挨拶をする
とりあえず、話せるようになりたいなら、話すことです。そして何が一般的な話し方なのかに焦点を当てるべきです。1文ずつの例文を覚えるのは効率的な勉強法ではありません。それを覚えたとしても、相手からの質問に答える容易がないからです。
よく言われるとおり、会話はラリーです。相手の言葉を上手く受けて、質問し返さなければ成立しません。そのことからも、5つのアドバイスは有効です。
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