第二外国語(第二言語)会話を独学する時も、【3行】で返す練習は効果が期待されます。
友人とボランティアでする「日本語教室」の運営方法について、話をしていたときのことです。

きっと、日系人の方達も「日本語で会話のラリー」を楽しみたいと思うのよねぇ。
それはもしや・・・・私の悩みと同じなのでは?と思ったのです。
【3行リプライ】学習法で学ぶ第二外国語会話
なぜ、【3行リプライ】学習法で会話の勉強が出来るのか
自分が学んでいる言語で、会話が楽しめるといいですよね。ワクワクするし、勉強の成果を感じると思います。
母国語の場合、相手の話に合わせて「1行(1文)」で返したり、「3行(3文)」で返したりと、応答の仕方は様々です。
でも、第二外国語の場合、会話中も頭の中でいろいろなことを考えなければなりません。
この【3行リプライ】学習法は、そんな一見複雑に思える会話の思考を文字化したものです。
実際の答えを想定して自分の応えを記録することが目的です。そして何度も繰り返すうちに、形式化し、実際の会話の中でスラスラ出てくるようになることが目標です。
会話はテニスのラリーに似ています
これは、テニスの返球について解説されたものです。

テニスで深いボールが「打ちにくいな~」と感じる時は、ボールを打つ準備が出来ていないことが多いのです。
(「Wowブログ」さんより引用)
テニス経験が浅い人はラリー中に飛んでくる深いボールなどに、正面を向いたまま下がるため、ラケットを振る体勢が出来ていないので「打ちにくい」と感じてしまうのです。
このボールとは「言葉」であり、このラリーが「会話」なのです。
テニスを会話に直すとこうなります
そんな時は、会話を始める準備が出来ていないことが多いのです。
会話経験の浅い人は、会話が始まってから準備するので、会話を始める体勢ができていないので「話しにくい(言葉をひろいにくい・つなげにくい)」と感じてしまうのです。
会話は、時間の余裕が無いことが「やりづらさ(続けにくさ)」を感じる・感じさせるものなので、レベルが上がるにつれて会話のスピードが上がってくるのです。
話すときに考え込む時間が多いと、絶妙のタイミングで相手の言葉を受けて、返すことが出来ません。こちらで妙に言葉を選ぶために考え込んでしまったりすると、会話の熱が冷めてしまいます。これがラリーが続かない原因です。
とりあえず、どんなボール(話し)でも1発目で受けるパターンを作っておけば、その後は少し時間に余裕が生まれるのです。
会話をつなげる基本は言語が違っても同じ
会話の続ける(盛り上げるには)いくつかのポイントがあります。そこで、まず日本語の会話を盛り上げる方法について書かれた記事を参考に見てみましょう。
1.「オレも」「私も」は禁止
2.「YES」「NO」で答えられる質問はしない
3.質問は「いつ、どこで、誰が」よりも「なぜ、どうやって」
4.相手の話を映像化させる
5.相手の話をただ受け止めない
6.「返答」は具体的な質問を入れる
7.相手の質問は聞き返す
lifehacker おもしろい人はやっている、会話を盛り上げる7つのポイント より
これを読んでいて気がつきました。
「あっ、これは英語でも同じ事が言えるんだ」
英会話をつなげる基本
1.まず、話しの内容にもよると思いますが、共感を示すことは言語にかかわらず大事な事だと思います。
2.この場合、質問しないというより、「Yes」や「No」だけで答えないと言う方が正しいかもしれません。
3.相手のコミュニケーション能力が高ければ、「いつ、どこで、誰が」でも会話は続くと思います。でも、問題はこちら側にあると思うのです。だから、会話を続けたいなら「いつ、どこで、誰が」という質問にも、1ワードで答えず、話しを展開すべきです。
4.これは非常に大事です。相手の状況を細かく想像することは、次に質問する内容に直結するので、映像化は必ずしましょう。
5.相手の話をただ受け止めるだけの話し方は今すぐ止めましょう。相手は話したいから声をかけてくるのです。
6.質問されたら、まず応えるべきですよね。ここでの返答は、まず具体的は言葉で応えて、さらに具体的な質問をするということかと思います。
7.繰り返しになりますが、相手は話したいから質問してきたのです。話しの流れをぶった切るような応えで終わらず、必ず質問で返しましょう。相手にも話す機会を与えるのです。ここがテニスの返球と同じ部分です。
会話の温度を意識する
例えば、「渋谷駅って混雑していると思う?」と聞かれた場合、

A:「さぁ」
B:「知らない。調べてみれば?(調べてみたらわかるけど)」
C:「行ったこと無いからわからないけど、どうなんだろうね。どうやって調べるか知ってる?」
伝わりますか?このA(1ワード)が与える冷気が。こんな冷気にさらされたら、私など一気に話す気力が失せてしまいます。会話を続けたいなら、Cしかないはずです。
どうですか?日本語の会話の盛り上げ方を英会話に直しても全く違和感ないですよね?
【3行リプライ】学習法 会話例
会話の1行目(1文目)
会話をつづけたいなら、まず肯定的なフレーズや相手の言葉の繰り返しから入ると良いと思います。
質問(相手):最近どこかに旅行に行きましたか?
*このような質問に対して「Yes」や「No」だけで応える人は、一生友達が出来ないと思います。
ここでの応答例:

旅行ですか?行きましたよ~

最近の旅行ですか?しばらく行ってないですねぇ。だってまだ飛行機に乗るのは大変ですから。

行きましたよ。どうしても本物の飲茶が食べてみたかったんですよ。
「行った」という事実の他にも、何か付け加える情報やきっかけのようなものがあるといいですね。相づちでも何でも良いので、レパートリーを増やしておきましょう。

質問の受け方や返し方の例は、動画も参考になります。

会話の2行目(2文目)
次に2行目です。ここでは会話の方向性を決める大事な部分です。
質問(相手):最近どこかに旅行に行きましたか?

寒くなる前に、恐竜博物館に子どもを連れて行ってあげたかったんですよ。だって、雪の日の運転は怖いでしょ~?

以前、調べたら燃料サーチャージだけでもずいぶん高かったですよ。

前に、妹が「今まで食べていた飲茶は偽物だった!本物はおいしい!」って自慢するので、私も食べてみたくなったんです。
具体的な情報と一緒に紹介する事で、相手が話題に引っかかるポイントが増えました。こうすることで「恐竜博物館!?どこにあるの?」となります。また「事故でもあったの?でも、残念だったわね~」や「本物の飲茶って。。。まさか中国に行ったの!?」と続くでしょう。
第二外国語の場合、発音の問題もあるので、簡単にラリーが続くとは思いませんが、相手が話題に引っかかるポイントを作るのも、準備のできるテクニックかなぁと思います。
会話の3行目(3文目)
さぁ、いよいよボールを相手へ返す番です。
あなたのこれまでの2行をふまえて、相手へはどういうボール返しますか?

あそこの恐竜博物館、すっごくおすすめですよ。恐竜の化石がいろんな所に展示してあって、まるで恐竜と散歩しているような気分になるんです。来年一緒に行きませんか?

せめてサーチャージさえ安くなったら、シンガポールに行ってみたいんですけどねぇ~。あなたは、もしサーチャージが安くなったらどこか行きたい国はあります?

香港で飲茶を食べてみたかったのですが、今回は横浜の中華街にしました。入り口から2ブロックほど入ったところの右側にありました。知ってます?
このような展開なら、ボールを返された相手も受けやすいのでは無いでしょうか。
最後に

まとめると、英語学習も日本語学習も同じです。
難しく考えずに、口語を文字化したものを、紙に書いてみましょう。
応答ぐらいなら3行がおすすめです。慣れて、もっと「長く話したい」や「日記形式でもっと書きたい」という人は5行がおすすめです。
これらのオリジナルの返答例は、いつか必ず会話の中で生きてくるはずです。
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