子どもの(絵)日記をサポートすることが大変だと感じている保護者にむけて、是非届けたいメッセージを書きました。
夏休み後半!
まだ間に合う、宿題の日記や作文で使える「文章力upのポイント」を丁寧に解説!
コレさえ意識すれば、9月からだって安心です!
「なんか、子どもの文章(説明)ってまわりくどいなぁ」と思ったことはありませんか?

実は、彼らは頭の中で思いついたことを順番に話しているだけだから、自然とそんな文章になってしまうのです。
そんな場合「思ったことを書きなさい」とアドバイスしただけでは絶対に書けません。

この段階の子どもの日記サポートは、大人の役割が重要です。
今回は「低学年の子どもが迷いやすい部分の解説と、どうやったら親としてサポートできるか」についてご紹介します。
各章の最後に【親サポ】として、声がけポイントをまとめておきましたので、作文指導の参考にして下さい。
日記研究のきっかけ
私は、カナダで2人の子ども(G1,G4)を育てています。
日本への一時帰国をきっかけに、自分の子ども達と妹の子どもの日記(作文)を指導するようになりました。
しかし、英語も勉強している子ども達に「日本語で!」とは言えないので、言語・文法の問題では無く、どうやったら発想を得やすくなるかという点のみに絞って研究を始めました。

この「発想」というのが大事なポイントです。
子ども達の通う現地校の先生から渡される資料を『英語学習者兼教育者』の目線で分析すると、その文章の展開にはパターンがあったのです。そして、私がライティングを勉強する中で同じことが言われていることに気がついたのです。
言語が違っても、ライティングにはパターンがある!ということに気がついたのは、カナダに住みながら日本語で日記を書かせている私には画期的な発見だったのです。
ところが、実際の子ども達の日記はというと、まだまだ大変です。
子どもが作文を書くときに迷うポイント
そこで、まずは子ども達の主な迷走ポイントをご紹介します。
・言いたいことがありすぎる
・出来事の中のどの場面を切り取っていいのかわからない
・正解を書こうとしている
・書き方の型がわからない
子ども達は、こんなところでつまずいているので、書く前から手が止まっているのです。おそらく、あなたのお子さんもどれかに当てはまるのでは無いでしょうか。
とにかく、何とかしなければ!!!
こんなことっから、私の日記研究はスタートすることとなりました。
1.日記のテーマを絞り込もう
「言いたいことがありすぎる」「出来事の中のどの場面を切り取っていいのかわからない」等の迷走は、日記のテーマを絞り込むことができないところに原因があります。
だから、「人や物」が「どうした」を決める練習で解決します!

そんな簡単なこと、子どもは知っているよ
そう思うかも知れません。
でも、意外にそこに気がつかず迷うのです。
【日記サポート1】主語と述語を意識した短い文で日記を表現=”一行日記”

「写真で一言」を真似て、写真やイラストを見て、短い「主語と述語を意識した文を作る」練習をしてみましょう。これだけなら「一行日記」と同じです。
例えばこんな感
・おばあさんは、桃をひろった。
・浦島太郎は亀を助けた。
・かぐや姫は月を見た。

そんなこと、普段から話している言葉を聞けばできるに決まっているじゃないか。
そう思うでしょう?
でも、意外なことに、話せることと書くことの間には大きな溝があったのです。
私も一行日記を少々バカにしていましたが、これだけでも低学年くらいの子どもには、日記のテーマをズバッと一言で表せるようになるので効果があります。
そして、これさえできるようになれば、日記の冒頭はできたも同然なので、是非しっかりやってみてください。
【日記サポート2】絵から記憶まで
この「絵本や写真を方法」にはステップがあります。
①まずは絵を一緒に見て話す
②次に、絵を見ないで一緒に話す(質問してあげると話しやすい)
③最後に、自分の記憶をもとに話す(自分の言葉で話す)
たかが絵本ですが、絵本から得られる情報やその活用法はたくさんあります。
①は簡単でしょう。②もクイズのようで、楽しいかも知れません。しかし③になるとしばらく時間がかかってしまうかもしれませんので、そんなときは①や②に戻って様子をみましょう。
こうすることで、映像をズバッと一言で表しやすくなります。
私が尊敬するイギリスのKirsten先生は、絵本を読む中で効果的な質問をすることは、子どもの読解力向上に大変効果的である、と自身のブログでも説明されています。英語ブログですが、Google翻訳などで読んでみて下さい。
補足・驚愕の事実!「会話と書き言葉は違うスキル」
実際に、私が驚いた事実は「話せることとと書くことは違うスキル」だったということです。
(あくまでも私が子どもとの会話で感じたこと)小学生にもなると口頭なら流暢に話すことができます。しかし、それらの話し言葉を文字化しようとすると突然ブレーキがかかったように立ち止まる現象が起こるのです。
私の子ども達は日本の授業は受けていませんが、とりあえず「話し言葉と書き言葉は違う」という認識はあるようです。そして、その認識が邪魔をして書く手が止まるようです。なぜでしょうか。
認識の違いは、絵本の読み聞かせ効果!?
桃太郎の冒頭を想像してみてください。
・おじいさんとおばあさんが一緒に描かれている
・山あり川ありの風景から、二人がこれからどこへ行くかが連想できる
この話しを読み聞かせる場合、多くの大人は文章を読みますが、同時に「おじいさんは『いってくるよ~』って言っているのかもしれないね」「おばあさんは、この川で洗濯するのかな?」などと語りかけます。
この語りかけが、子ども達の「話し言葉」の部分になるのです。しかし、暗唱できるほど何度も聞いたことのあるお話です。子ども達の中には気がつかない間に「書かれた文章」と「話し言葉」が違うという認識になったのかもしれません。
2.論理的思考力の強化
2つ目は、これらは「論理的思考(ロジカルシンキング)」を強化する事で改善します。
前述したとおり、子どもは思いついた順番に話し始めます。
いつの話を、どのような順番で書き始めるのか全く想像できないからです。
だから、話しの途中で新たな情報が入ってきたりします。
これら「論理的思考(ロジカルシンキング)」の問題です。
論理的思考(ロジカルシンキング)
論理的思考(ロジカルシンキング)とは
ロジカルとは、「論理的な」「筋の通った」という意味です。
論理的思考力(ロジカルシンキング)を鍛える4つの方法
論理的思考とは、物事を体系的に整理し、矛盾や飛躍のない筋道を立てる思考法です。
とくに問題の解決策を考える場面で力を発揮します。
登場人物が大勢出てきたり、意見と事実がごちゃごちゃになっていたりしては、話はうまく伝わりません。話しの前提としてどんな情報を共有しておくべきかについては、自分で考えなければなりません。
【日記サポート3】誰の話をするのか/したいのか
とりあえず、書きたいことのテーマが決まったら、情報を書き出してみましょう。

・いつおこったできごとなのか
・場所はどこか
・誰がいたか
・何があったのか
・どうしてそうなったのか
この赤く強調した部分は、いわゆる「5W1H」と呼ばれる部分です。
これらの情報を入れることで、話はより具体的になります。さらに、話し相手が「この話題について知らなそう」と思うならば、必要な情報を適切なところで入れてあげる必要があります。
例)娘~ある日の日記
娘から許可を得て、ある日の日記を、ご紹介します。
ばぁばのはたけで やりました。
みかんは おばさんのところに いっぱい ありました。
おもいでは みかんの ぶつけあいです。
登場人物:ばぁば、おばさん
重要な物:みかん
場所:はたけ

いつのことかな?
なぜ、おばさんはみかんをたくさん持っていたのかな?
誰にみかんをぶつけたのかな?
こんな疑問がわいてくると思います。
そして更に、一番聞きたいのは「やってみてどうだったか=感想」です。
これは、毎回口を酸っぱくして言っていたので、最近は娘も意識し始めてきたようです。

「かーちゃんが、いつも『それで?どう思ったん?』って聞くから、最後に感想を書いといたよ!」
と言うようになりました。このように書く場面で思い出すことができるようになれば大丈夫だと思います。
【日記サポート4】論理的思考を養うために
論理的思考は、筋道を立てて説明するためにどんな情報が必要かと考えを巡らせることです。
それでは論理的な文章を書くためには、どんな情報が必要でしょうか。
時間の流れ、事前に準備したものや計画。結果や反省、登場人物の話に関わる立場の説明
子どもの場合、時間の感覚や計画性に欠けているのは当たり前です。そのような生き物だと思い、気長にいきましょう。
3.文章の型
ライターなら「基本中の基本」的な「文章の型」ですが、学校現場ではまだあまり定着していない様な気がします。なぜなら、結構多くの人がライティングの授業でPREP法に驚いたり戸惑ったりしているのを見るからです。
それなら、子どもの頃から勉強しておけば良いじゃ無いか!
というのが私の意見です。
日記に正解は無いと思いますが、型を使えば簡単に文章を展開することができます。
もし、親としてサポートするなら、この文章の型を伝えてみてはどうでしょうか?
PREP法

例えば
私は隣の家の犬が嫌いです。
なぜ嫌いかというと、いつも飛びかかってくるからです。
私はまだ大きくないので、大きな犬の顔は目の前に見えます。そして、逃げても逃げてもついてきます。そして大きな声で吠えるのでビックリします。
でも、「嫌い」だと言うと、犬の飼い主さんも悲しむので、犬にも挨拶だけしようと思います。
SDS法

例えば
このきびだんごは「世界一」です。
お腹がすいたときには、大好きなお母さんが作ってくれたこのきびだんごを食べることができます。そして、このきびだんごは、何日も持つので、遠くの島まで鬼退治に行くのにも最適です。さらに、犬やサル、キジも食べることができるのでとってもお得!
やはり、一家に1箱、きびだんごは置いておくべきです。
これらの型は非常に有名です。
特に、どちらも一番最初に自分の言いたいことを伝えている所に強い説得力を感じます。北米の話し方のポイントでもありますね。
この型通りに話しを展開することで、文章は簡単に書けるようになります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
さらに、文章より魅力的にするには、オノマトペや感情、状態を表す言葉をいれると効果的です。
「馬がえさを食べた」というよりも「馬が長いにゅーっと伸ばして、ベロンベロンと巻き取るようにえさを食べた」と書く方がおもしろいと思いませんか?
ちなみに、感情を表す言葉などを入れるには、この辞書が便利でした!
基本的に、子ども達は「読めるけれど、新しい言葉は使えない」状態にあります。だから、自分から言葉をつかみにいくのです。そのために、この辞書はとてもオススメします。
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