子どもが日記を書くときに、書くべきテーマ設定で迷ったら、感情に集中してみてください。
今回は、【カナダ発】子どもが日記に迷ったときに絶対オススメの感情カードを使った日記の書き方をご紹介します。
私は、10年以上の学校勤務経験の中で、たくさんの「おっ!?この子は・・・・」という子ども達を見てきました。そして今、カナダで日本語と英語を勉強する自分の子ども達の学習を見る中で「何が必要か」を日々研究しています。
カナダにいるからこそ貴重な日記の時間
日記は、毎日書くよう子ども達と約束しています。その理由は、調べれば調べるほど、学習効果の高いものだったからです。
それは次のような理由からです。
・日本語(文字)に触れる時間の確保
・話(思考)の展開方法を学ぶ
・筆圧の訓練
おかげで、一日に体験したことの「リスト状態」は脱却しました。(笑)
しかし、まだまだ「その時とりあげるテーマ」については悩んでいるようです。
なぜ子どもは日記のテーマで悩むのか
「自由に書いて良いよ~」と言っても、なぜ子ども達はテーマ設定に悩んでしまうのでしょうか?
実際、息子がそうです。
今日は近所の学校の校庭に遊びに行った!昨日とは違う学校!
じゃ、その2つの学校の校庭の違いを書いたらどう?
え・・・?何か違いあった?
こんな程度です。。。。(泣きたくなる)
日記を書く前に、何があったか思い出せずに止まる場合
最初からノートを書く手が止まりました。
今日何があったかすぐに思い出せなかったからです。
「子ども(幼児)は昨日も明日も区別がない」
これは昔、お世話になった保育園の園長先生の言葉です。
大人に伝えられないだけなのかも知れません。しかし息子のそれはまた別問題です。
まさか9歳にもなる息子がいまだに、2つの学校の遊具の違いもすぐに答えられないなんて。
まずは、息子に学校の校庭(遊具)を想像させました。
ブランコの個数、滑り台の形・・・。
そしてようやく、書き始めることが出来ました。
「今日のどこを切り取って日記を書くか」が分からなくて止まる場合
次につまづいたのが、それの一日のどの場面を切り取っていいかわからないところでした。
そごで、具体的に聞いてみました。
何かをくらべてみたらいいんじゃない?
で、書けたか・・・・?
息子を甘く見ていました。(本人も後で思い出したように「今日の日記は手を抜きすぎたかもなぁ」と言ってましたが)
息子は・・・学校の名前を紹介し、おおよその面積比較をして終わってました(涙)
ちっが~~~~う!!!
黙って手を動かし始めたから大丈夫かと思ったのに。
さらに、私は考えて、ついに究極の形を見つけました。それが感情カードです。
日記の新技!感情から出来事を選ぶ「感情カード」
普通は「心が動いたところを切り取って・・・」等とアドバイスをすると書けるのかも知れませんが、彼には効きません。
彼のレベルにはまだ抽象的すぎるのです。
やっぱり、感情カードが必要だったか・・・
感情カードとは(日記・作文で使用可能)
カナダでは、キンダーやG-1くらいから「感情を表す言葉」を学んでいるようです。
そして、自分は今どういう状態にいるかを客観的に説明できるようになっています。
まずは簡単な言葉です
Happy Sad Angry Fine
娘の記憶が曖昧なので、「普通」を表す言葉がFineだったかどうかは自信がありませんが、このような感じです。
クラスではどうやって「感情」を勉強するの?in Canadaの田舎町
娘に聞きました。
まず、全部の生徒の名前をそれぞれの棒に書いたアイスの棒(Popsicle stick)を用意します。
次に4つの入れ物に”Happy”や”Sad”などと書いておきます。
そして、先生が「今の気持ちは?」と尋ねると、子ども達は一斉に自分の名前が書かれた棒を自分の気持ちを表す言葉が書いてある箱に入れるのです。
娘は、これについて「こうやったら先生は誰に気をつけるべきかわかるんよ」と言っていました。
英語の理解力も日本語の理解力もまだまだの1年生ですが、雰囲気はつかんでいると思います。
これのお陰で、子ども達は自分の感情を客観的に見ることができ、人にも説明しやすくなるようです。
なかなか面白いことを考えたな!と思いました。
ちなみに、この先生は、息子の時も担任でした。とにかく「彼にじっと座って話を聞くように言ってください」としか言われなかったので・・・何をやっていただか(遠い目)
そこで娘のクラスからもらったアイデアをもとに、感情を表す日本語のカードを作ってみました。
日記を書く時に実際に感情カード
これが、私が作った感情カードです。
同じ形(はがきサイズ)にカットした紙に書き出した「感情をあらわす言葉」を集めています。
うちの子達は、この感情のカードを見ながら、書く内容を決めています。
作文にも使える便利なカードです。
8つに分けられる感情
ちなみにこの感情の区分は、アメリカの心理学者ロバート・プルチックの《8つの基本感情》を参考にしました。
そして、日本の辞書から、一般的に使われるであろう言葉をひろいだしました。
言葉選びの観点
選んだ言葉は日本の小学生三区分(低中高学年)をイメージしていますが、完璧ではありません。
漢字表記の問題
日本では習っていない漢字を授業で使うとトラブルになるとよく聞きます。でも、ここはカナダです。
子どもの学習を見ていると、学年で無理やり分けず「見て親しませる」ほうが読みを覚えるようです。(書くことは別問題)
今のところ、娘がひらがな中心なのでひらがなばかりのカードになっていますが、そろそろふりがな付きの漢字表記にしようと思っているところです。
なぜこの形か
実のところ、もっともこだわったところはここかもしれません。
このカードははがきサイズに切っています。
私は趣味の「もったいないアート」を作る中で、どうしても『年賀状』を使えないか考えていたのです。
年賀状(サイズ)にこだわる理由
・厚みのある上質な紙=簡単に破れない
・家に大量にある=もし作り直そうとしても、簡単に作り直すことが出来る
・手に取りやすい=このサイズは意外に手に取りやすい
・場所をとらない=机の側に置いておいても広い場所を必要としません
この4つの理由から私は、年賀状を再利用する方法をとりました。
しかし!ここはカナダです。
日本在住中時ほど年賀状もないので、年賀状サイズに切った紙箱を再利用しています。
(この紙箱も、厄介なほどたまるんです。)
作り方
はがきに印刷した言葉を貼る。
*ポイントは、下の文字が見えないようにすること。気が散る原因になります。
・暗い色の折り紙を一枚貼る
・印刷する紙をごつくする
私の場合は、お菓子やビールの紙箱を使っているので、その光沢部分をカッターではぎ取っています。
ツルツルしていてノリもうまくつかないし、必要の無い情報だからです。
日記のテーマ(感情と出来事)が決まったら、スタートだ!
テーマ(切り取る場面)が決まったらいよいよ書き出しです。
必ず感情カードから言葉を選びます。そしてこれらについて細かく書きます。
なぜ、そんな気持ちになるのか
その気の地を感じた後の様子
この部分は大人でもすぐに抜けてしまう部分なので、必ず自分の決めた「感情」に従いましょう。
最後に・子どもが日記で迷った場合は感情カードを活用しよう!
日記や作文を書くときは、「感情」に焦点をあてるのは間違っていないのですが、使えそうな言葉も紹介しましょう。
子どもは驚くほど言葉(感情)を知りません。
そして、言葉は自在に使いこなせるようになって、初めて身につくものです。
ここで親が出来る事は、一緒にカードを眺めて、一緒に言葉の意味を確認することです。
感情表現が豊かであることは、他の表現力にも直結してきます。
ぜひ、同じような事で困っている方がおられたらご活用下さい。
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